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星谷丈生 作曲家

 

東京藝術大学作曲科及び、博士課程音楽領域研究科修了、博士号取得。多久潤一朗、多井智紀らとともに、室内アンサンブル「アンサンブル・ボワ」を結成し、2000年代には多くの新しい音楽を紹介した。主な活動として2005年アンサンブル・ノマド英国公演に参加、2007年サルヴァトーレ・マルティラーノ賞第1位、2010年武生国際音楽祭招待作曲家、2011年ロワイヨモンセミナー(フランス)参加、2013年テグ国際音楽祭招待作曲家、2014年カフェ・ブダペスト(ハンガリー)参加、2017年、日加現代音楽交流プロジェクト参加、2019年Ongaku Festival (Toronto)、2020年Music from Japan(NewYork) など。作曲家グループPath同人。2010年よりチェリストの多井智紀とともに企画団体「時の形プロジェクト」を開始し演奏家やCD製作等を行っている。またクラリネット奏者の菊地秀夫とともに、音楽ユニット「オフィスでく」を結成し活動している。また2020年より音楽団体「庭園想楽」のメンバーとして企画制作を行なっている。

現在、福井大学教育学部准教授。

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《Sapporo III》 a.sax., pf. (2022, 初演)

 私は同じ特徴を持つ作品を同じような題名にする傾向があり、SapporoⅢは、SapporoⅠ,Ⅱと同様の特徴を持つこと、また札幌で仕上げの作業が行われたことから名付けられた。札幌Ⅰ,Ⅱとも10年近く前の作品であり自分の過去の書き方にたまには戻ってみようかという気持ちも少しあったと思う。

 本作品は、サックスとピアノが対立するのではなく融合する、どちらかと言えばサックス伴奏付きのピアノ曲であるが、ピアノもごく控えめに抑制された音数の中で、音と音の繊細なつながりを聴き取ることを主眼とした音楽である。サックスはあたかもピアノの音色の一部である。

 10年前と異なることと言えば、以前は全ての音と音、フレーズとフレーズに意味を見出せるようなつながりを重視していたのに対して、今回は、繋がらないこと、意味を見出しづらいこと、またそのような関係を成立させる手法についても、集中して考えるようになった。

​星谷丈生

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